2013年12月5日木曜日

障害者と働くということ

新横浜は風情が無い。
見事な程のビジネス街と居酒屋と横浜アリーナ・・・

そんな街に今日は自分が理事を務めている団体の理事会とセミナーに参加してきた。

今日、講演いただいたのは「日本理化学工業 会長 大山氏」
国内ナンバーワンシェアを持つチョークの製造会社で、なんと社員76名中57名が知的障害者。


障害者を雇う上での製品の作り方の工夫は製造メーカーに勤めている私としては「なるほど」と言う内容だけれど、素晴らしかったのはこの人の考え方。

ともすれば、障害者を腫れ物に触るかのように扱うことが多いこの世の中、大山さんは障害者を一人の人間として扱っている。障害を障害としてではなく、「足が速い」「背が高い」「鼻が大きい」といった一つの個性として扱われていた。

さらに、 氏はおっしゃる。
「障害者施設に入所して、手厚い待遇の中で一生をそこで終えて本当に幸せなのか?」
「人間の幸せとは”愛されること”、”褒められること”、”役に立つこと”、”必要とされること”、障害者だからといって閉じ込めるのではなく、働くことで”愛”以外は手に入れられる。」
「 世の中で最も不幸な事は、誰からも必要とされないこと(マザーテレサ)」
「みんなで働ける”皆働社会”をつくり上げることが必要」

自分が何かを成し遂げた人の言葉には重みがある。軸をぶらさずに進んだ日本の一人の職人のキレイ事ではない生のリアルな言葉。本当に感動できた講演だった。

某丸一日かけて募金を集めている番組とは全く違う。


そして講演終了後のパーティーで氏にこんな言葉を投げかけてみた。
「弊社にも障害者がいます。彼らを怒る時はどうすればいいのか?自分は彼ら(特に自閉ぎみの人)にわかる言葉を必死に探して本気になって怒っている。伝わっているのか心配です。」

氏「彼らの理解力に合わせた言葉が必要です。あなたが怒ってどんな反応見せましたか?」

俺「最初のころは反応が薄かったのですが、この間は涙を流してごめんなさいと言いました」

氏「それでいいんです。きちんと伝わってますよ。」

この瞬間、心が洗われたような気がした。俺は間違ってなかったんだという感覚。この人に会えてよかった。

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