2011年10月13日木曜日

ギリシャ危機に思う



ここ数年ニュースの主役になっているギリシャ。
少し、自分の中で整理したいのでここに書いておく。

局面としては、「いかにギリシャを救うか」ではなく、「いかに安全に潰すか(デフォルト)」に変化している。

最近のニュースでのポイントは二つ。





ひとつは「ギリシャへの追加融資8300億円。」これでギリシャは首の皮一枚つながり、年末までデフォルトは無くなった。ここで重要なのは、今回の融資が6回目の融資であるということと、この先もギリシャという国を今までどおり残すためには、借金を返し続けれなければいけないということ。つまり、今のギリシャは自転車操業であり、借金を返すために借金をしている状態。こんな状態が続けば、いつか行き止まりに来てしまうことは目に見えている。

なのに、なぜEUROは融資し続けるのか?簡単に言うとギリシャにお金を貸している国や銀行の債権が紙くず同然となり、不良債権となってしまうから。そうすると、財政事情が悪化する国や銀行がどんどん出てきてしまい、第二、第三のギリシャが発生してしまう。このヤバイといっている国がイタリア、スペイン、ポルトガルといったいわゆるPIIGSと呼ばれていた国々。アイルランドはすでに破綻したけれど、国の規模が小さいからそこまで影響が無かった。しかし、これがイタリアやスペインでは?そう、ユーロという通貨が破綻してしまうほどの影響がある。だから、融資し続けなければいけない。とはいえ、そんな融資がいつまでも続くわけがないので、どこかで見限らなければいけない。これが「いかに安全に潰すか」ということ。会社でいうところの計画倒産ってやつに似てますね。

じゃあ、いつデフォルトさせるのか?というのが二つ目のポイント。スロバキアが採択するかしないかで揉めていた「欧州金融安定化基金(EFSF)の拡充策」である。今まで、このEFSFというのが、国がやばいときにお金を出してあげるという基金であって、今までは26兆円までだったのが44兆円まで拡大しますよというもの。実際にギリシャの借金額も40兆円ぐらいなのでつじつまは合う話である。

つまり、この体制が整わないとギリシャをデフォルトさせた場合、わけのわからない方向に飛び火してEUROがつぶれてしまう可能性があるのですね。

ここからが、私見ね。世界の通貨は大きく「ドル・円・ユーロ・ポンド・元」とあるが、このうち仲間はずれなのがユーロ。なぜなら、ほかの通貨は経済と政治がリンクしているから。ユーロの理念はわかる。景気のいいときは大国(ドイツ・フランスなんか)に引っ張られて小国も発展するが、ギリシャのような小さい国が少しつぶれるだけで、一気に景気が悪くなる。今回のギリシャの失敗はわかっているのに、やらなかった政治が悪い。経済の失敗ではなく政治の責任。でもユーロには中央政府は無い。いまさらだが、ユーロは拡大路線ではなく政治統合を推し進めるべきだったのではないだろうか。ただ、果たして英・仏・独といった超大国がお互いのエゴをなくして同じ目標に進めるのだろうか。

いずれユーロは崩壊する。今の形では残らない未来しかない。

日本も同じように崩壊しなければいいのにね。

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